ポリウレアとはWhat's Polyurea?
ポリウレア樹脂とはイソシアネートとポリアミンの化学変化によって形成された樹脂化合物です。
防水性・耐熱・耐薬品・耐摩耗に優れ、さまざまな変状要因から基材を保護します。
硬化時間が数秒~十数秒と極めて早く、工期短縮も期待できます。
また400%以上の伸び率を保持するグレードもあり、
下地のひび割れの発生や挙動に対して高い追随性を発揮するとともに、
軍事施設やプラント設備、主要建物の防爆対策としても注目されています。
強靭さと扱いやすさを併せ持つ、幅広い活用が期待される「次世代のライニング材」です。
目的と用途Purpose
-
耐薬品腐食性chemical resistance
- 薬品タンク
- 防液堤
- 排水槽
- 各種化学プラント設備 など
-
耐爆性blast-proofing
- 薬品タンク
- 防液堤
- 排水槽
- 各種プラント設備 など
-
耐摩耗性wear resistance
- 工場床面
- ダム
- 畜産設備
- 鉱山設備 など
-
耐熱性heat resistance
- 温水ピット
- 低音・冷凍倉庫 など
-
防水性water-proofing
- 地下ピット
- コンクリート水路
- 建屋屋上防水 など
-
耐候性weather resistance
- 屋根(スレート・折半)
- 屋外防液堤 など
工場屋根の補強については、こちらもご覧ください。
施工仕様Specification
ポリウレアは、下地や用途に応じて柔軟な施工が可能です。
コンクリートの場合
旧塗膜・付着物除去後、ケレン・脱脂を行います。適切なプライマーを塗布し、下地の状況によってはパテ材などを使用して不陸を調整し、ピンホールの発生を抑えます。種類・塗布の厚みはポリウレアの用途によって異なります。
- 例
-
- コンクリート
- プライマー
- ポリウレア
- コンクリート
- プライマー
- パテ材
- ポリウレア
金属下地の場合
旧塗膜除去後、ケレン・脱脂を行います。下地や錆の状態によっては錆転換剤などで黒錆に変えてからプライマーを塗布します。種類・塗布の厚みはポリウレアの用途によって異なります。
- 例
-
- 金属下地
- 錆転換剤
- プライマー
- ポリウレア
- トップコート
スレート/金属折板屋根の場合
スレート屋根の場合は、清掃し、プライマー作業を行います。欠損部は穴を埋め、プライマー塗布後にポリウレアの吹付作業を行います。長期間の供用に対応するため、ウレタン系トップコート、オプションで遮熱トップコートを使用することが多いです。
※近年増加する台風による屋根の吹き飛び対策にも、ポリウレアは有効です。
- 例
-
- 下地スレート
- 金属折版屋根
- プライマー
- ポリウレア
- トップコート
お問い合わせContact
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試験データdata
テーバー式摩耗試験結果
(CS-17 / CS-10)
荷重:9.81N(1kgf) / 試験回転数:1,000 回
ST | XT-Plus | AL | LP | PA | BG | |
---|---|---|---|---|---|---|
試験規格:ASTM D4060 摩耗輪の種類:CS-17 |
8 | 20 | 35 | 30 | 25 | - |
試験規格:JIS K 5600-5-9 : 1999 摩耗輪の種類:CS-10 |
3 | 14 | - | - | - | 3 |
試験規格:ASTM D4060
摩耗輪の種類:CS-17
- ST
- 8
- XT-Plus
- 20
- AL
- 35
- LP
- 30
- PA
- 25
- BG
- -
試験規格:JIS K 5600-5-9 : 1999
摩耗輪の種類:CS-10
- ST
- 3
- XT-Plus
- 14
- AL
- -
- LP
- -
- PA
- -
- BG
- 3
耐薬品性能試験データ
試験規格:ASTM D3912 を流用(重量変化)
●=推奨できる 〇=条件付きで推奨
浸漬薬品名 | 濃度 | ST | XT- Plus |
LP | PA |
---|---|---|---|---|---|
塩酸 | 10% | ● | ● | ● | ● |
15% | × | ● | × | × | |
硫酸 | 15% | ● | ● | ● | ● |
50% | × | ● | × | × | |
リン酸 | 10% | ● | ● | ● | ● |
15% | × | ● | × | × | |
酢酸 | 10% | ● | ● | ● | 〇 |
硝酸 | 25% | × | ● | × | × |
フッ化水素 | 10% | × | ● | × | × |
海水 | ● | ● | ● | ● | |
下水 | ● | ● | ● | ● | |
水(80℃) | ● | ● | ● | ● | |
脱イオン水(純水) | ● | - | ● | - | |
軽油・ガソリン | ● | ● | ● | ● | |
油圧油・作動油 | ● | ● | ● | ● | |
過塩素酸 | - | ● | - | - | |
クエン酸 | 5% | - | - | - | ● |
洗剤 | - | - | - | ● | |
水酸化ナトリウム (苛性ソーダ) |
20% | ● | ● | ● | ● |
50% | 〇 | ● | 〇 | - | |
水酸化アンモニウム | 20% | ● | ● | ● | ● |
50% | 〇 | ● | 〇 | 〇 | |
水酸化カリウム | 10% | ● | ● | ● | ● |
20% | 〇 | ● | 〇 | 〇 | |
重炭酸ソーダ(重曹) | 30% | - | ● | - | - |
次亜塩素酸ナトリウム | 14% | - | ● | - | - |
水酸化カルシウム | 30% | - | ● | - | - |
硫化水素(ガス) | ● | ● | ● | ● | |
過酸化水素 | - | ● | - | - |
塩酸
濃度:10%
- ST
- ●
- XT-Plus
- ●
- LP
- ●
- PA
- ●
濃度:15%
- ST
- ×
- XT-Plus
- ●
- LP
- ×
- PA
- ×
硫酸
濃度:15%
- ST
- ●
- XT-Plus
- ●
- LP
- ●
- PA
- ●
濃度:50%
- ST
- ×
- XT-Plus
- ●
- LP
- ×
- PA
- ×
リン酸
濃度:10%
- ST
- ●
- XT-Plus
- ●
- LP
- ●
- PA
- ●
濃度:15%
- ST
- ×
- XT-Plus
- ●
- LP
- ×
- PA
- ×
酢酸
濃度:10%
- ST
- ●
- XT-Plus
- ●
- LP
- ●
- PA
- 〇
硝酸
濃度:25%
- ST
- ×
- XT-Plus
- ●
- LP
- ×
- PA
- ×
フッ化水素
濃度:10%
- ST
- ×
- XT-Plus
- ●
- LP
- ×
- PA
- ×
海水
- ST
- ●
- XT-Plus
- ●
- LP
- ●
- PA
- ●
下水
- ST
- ●
- XT-Plus
- ●
- LP
- ●
- PA
- ●
水(80℃)
- ST
- ●
- XT-Plus
- ●
- LP
- ●
- PA
- ●
脱イオン水(純水)
- ST
- ●
- XT-Plus
- -
- LP
- ●
- PA
- -
軽油・ガソリン
- ST
- ●
- XT-Plus
- ●
- LP
- ●
- PA
- ●
油圧油・作動油
- ST
- ●
- XT-Plus
- ●
- LP
- ●
- PA
- ●
過塩素酸
- ST
- ×
- XT-Plus
- ●
- LP
- ×
- PA
- ×
クエン酸
濃度:10%
- ST
- -
- XT-Plus
- -
- LP
- -
- PA
- ●
洗剤
- ST
- -
- XT-Plus
- -
- LP
- -
- PA
- ●
水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)
濃度:20%
- ST
- ●
- XT-Plus
- ●
- LP
- ●
- PA
- ●
濃度:50%
- ST
- 〇
- XT-Plus
- ●
- LP
- 〇
- PA
- -
水酸化アンモニウム
濃度:20%
- ST
- ●
- XT-Plus
- ●
- LP
- ●
- PA
- ●
濃度:50%
- ST
- 〇
- XT-Plus
- ●
- LP
- 〇
- PA
- 〇
水酸化カリウム
濃度:10%
- ST
- ●
- XT-Plus
- ●
- LP
- ●
- PA
- ●
濃度:20%
- ST
- 〇
- XT-Plus
- ●
- LP
- 〇
- PA
- 〇
重炭酸ソーダ(重曹)
濃度:30%
- ST
- -
- XT-Plus
- ●
- LP
- -
- PA
- -
次亜塩素酸ナトリウム
濃度:14%
- ST
- -
- XT-Plus
- ●
- LP
- -
- PA
- -
水酸化カルシウム
濃度:30%
- ST
- -
- XT-Plus
- ●
- LP
- -
- PA
- -
硫化水素(ガス)
- ST
- ●
- XT-Plus
- ●
- LP
- ●
- PA
- ●
過酸化水素
- ST
- -
- XT-Plus
- ●
- LP
- -
- PA
- -
ライニング材比較Comparison
評価基準尺度 ◎…大変優れている ○…優れている
△…やや劣る ×…劣る
ライニング系統 | ポリウレア樹脂 | ポリウレタン樹脂 | エポキシ樹脂 | FRP | ポリマーセメント系 |
---|---|---|---|---|---|
主構成 | エポキシ系プライマー 芳香族系ポリウレア樹脂 |
エポキシ系プライマー ポリウレタン樹脂 塗料系トップコート |
エポキシライニング材 塗料系トップコート |
ビニルエステル樹脂 +FRPマット |
セメント系粉体 +アクリル系 共重合エマルション |
耐摩耗性 | ◎8mg損耗 (CS17、1kg、1000回転) |
△293mg損耗 (CS17、1kg、1000回転) |
○55mg損耗 (CS17、1kg、1000回転) |
○108mg損耗 (CS17、1kg、1000回転) |
△データなし |
耐薬品性 | ○15%硫酸対応(常温)ST 50% 硫酸対応(常温)XT-Plus |
○20%硫酸対応(常温) | ○20%硫酸対応(常温) | ◎80%硫酸対応(常温) | ◎80%硫酸対応(常温) |
耐熱性 | ○気体120℃ 液体85℃ | ○110℃ | ○80℃程度 | ○70℃~100℃ | ○気体120℃ 液体90℃ |
防食性 | ◎JS D1適合 | ×JS適合無 | ◎JS D1適合 | ◎JS D1適合 | △データなし |
防水性 | ◎透水性ゼロ | ◎透水性ゼロ | ◎透水性ゼロ | ◎透水性ゼロ | ○透水性合格も 蒸気透過性あり |
コンクリート付着性 | ◎実測値3.0N/mm2以上 | ◎2.5N/mm2以上 | ◎2.5N/mm2以上 | ◎1.5N/mm2以上 | ◎1.5N/mm2以上 |
クラック追従性 | ◎伸び率400%~450% | ○伸び率50±5% | △伸び率5%未満 | △伸び率5%未満 | △0.5mmのクラックに追従 |
施工性 | ◎速硬化スプレー方式で 凹凸や狭小部でも シームレス施工可能 |
◎速硬化スプレー方式で 凹凸や狭小部でも シームレス施工可能 |
△手塗りで重防食に用いる 場合は繊維シートを加え、 積層させるものが多い |
△手塗りで塗布回数多く、 FRPマット敷設時に 浮きなどが発生しやすい |
○コテ方式で作業性は良い |
揮発成分 | ◎なし | ◎なし | ○基本的には含まない | ×シート貼り合わせ材料に 揮発成分含む |
◎なし |
養生 | ◎硬化時間数分 | ◎硬化時間数分 | ○硬化時間1時間 程度のものが多い |
△硬化時間48時間 | ×48時間養生、 7日後注水可能 |
膜特性 | ◎連続膜で継ぎ目なし | ◎連続膜で継ぎ目なし | ◎連続膜で継ぎ目なし | ○FRPシート部は連続せず | ◎連続膜で継ぎ目なし |
補修性 | ◎上吹きによる部分補修可能 | ◎上吹きによる部分補修可能 | ◎一部除去の上、上塗り可能 | ◎部分補修可能 | △クラックなどの補修程度 |
施工手順例Process
-
01
下地処理
既設コンクリートの場合
脱脂・ケレンを行います。
旧塗膜・付着物を除去してから、クラック欠損を補修します。鉄面の場合
脱脂・ケレンを行います。
旧塗膜除去後、下地や錆の状態によっては、錆転換剤などで黒錆に変えます。 -
02
不陸調整
既設コンクリートの場合
脱脂・ケレンを行います。
状況によってはパテ材などで不陸調整をしてピンホールの発生を抑えます。 -
03
プライマー塗布
適切な下地やプライマーを選定し、塗布します。
-
04
ポリウレア塗布
適正な厚みでポリウレアを塗布します。
塗布方法は、吹付け、手塗りなど、箇所に合わせた適切な方法を選びます。 -
05
トップコート塗布
トップコートを塗布したり、耐火塗料や、遮熱塗料と組み合わせる場合もあります。
取扱製品一覧Product List
NUKOTE ST
標準グレード
金属、コンクリートをはじめ、様々な素材に適応する標準グレードのポリウレア塗装材料です。防錆・防水に有効です。固形分100%の純粋なポリウレア樹脂で、一般的なポリウレタン樹脂や変性ポリウレタン樹脂などに起きる、水分に由来するピンホールや膨れなどの不具合が起きにくくなっております。
詳しく見るNUKOTE
ポリウレアXT-Plus
金属、コンクリートなどさまざまな素材に対して耐酸・耐アルカリ目的に塗布を行うポリウレア塗装材料です。薬品保護層であると同時に、その伸縮性や水密性から、防水・防錆・耐摩耗層としての性能も持ち合わせます。固形分100%のポリウレア樹脂で、VOC発生もなく、-30℃から70℃という幅広い温度域で施工が可能です。
詳しく見る施工実績Works
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