工場や倉庫の建築に関わる責任者の方、屋根の種類選定に悩んでいませんか。
新築や改修の際に、最適な屋根の種類選びは、建物の耐久性やコスト、さらには将来的なメンテナンスにも大きく影響します。
この記事では、工場や倉庫でよく使われる屋根の種類とその特徴、メリット・デメリットを解説することで、最適な屋根選びの判断材料を提供します。

工場や倉庫の屋根の種類

工場や倉庫では、さまざまな屋根材が使われていますが、特に多く用いられるのは次の3種類です。

1: 波型スレート屋根

セメントと繊維を混ぜて波打つような形状に成形した屋根材です。
戸建て住宅では「化粧スレート」と呼ばれることもあります。
波の幅が大きいものを「大波スレート」、小さいものを「小波スレート」と呼び、波の幅はJIS規格で規定されています。
耐久性、断熱性、遮音性、耐火性に優れていることから、工場や倉庫だけでなく、住宅の外壁材としても広く使われています。

2: 折板屋根

ガルバリウム鋼板などの金属板を蛇腹状に折り曲げた形状の屋根材です。
蛇腹状にすることで強度が増し、軽量なので建物への負担が少なく、近年では大型の倉庫や工場で主流となっています。

3: 瓦棒屋根

「トタン屋根」と呼ばれる、金属製の屋根材です。
瓦棒と呼ばれる細い角木材とコの字型の溝板（金属板）を一定間隔で並べて、屋根を葺く形状です。
昔ながらの屋根材として親しまれてきましたが、近年ではトタンではなく、耐久性に優れたガルバリウム鋼板が使われることが多くなりました。

屋根の種類別のメリット・デメリット

それぞれの屋根の種類には、それぞれメリット・デメリットがあります。
最適な屋根を選ぶためには、建物の用途や規模、予算、周辺環境などを考慮して、それぞれのメリット・デメリットを比較検討することが重要です。

1: 耐久性

・波型スレート屋根：セメント系のため耐久性に優れ、長寿命です。
・折板屋根：金属製のため、錆びやすいというデメリットがありますが、適切なメンテナンスを行うことで長持ちします。
・瓦棒屋根：金属製のため、錆びやすいというデメリットがありますが、近年では耐久性に優れたガルバリウム鋼板が使われるようになり、寿命が延びています。

2: コスト

・波型スレート屋根：比較的安価です。
・折板屋根：波型スレート屋根に比べて、やや高価です。
・瓦棒屋根：波型スレート屋根に比べて、やや高価です。

3: 施工のしやすさ

・波型スレート屋根：比較的施工がしやすいです。
・折板屋根：比較的施工がしやすいです。
・瓦棒屋根：施工に熟練の技術が必要です。

4: 遮音性

・波型スレート屋根：遮音性に優れています。
・折板屋根：遮音性は、波型スレート屋根に比べて劣ります。
・瓦棒屋根：遮音性は、波型スレート屋根に比べて劣ります。

5: 断熱性

・波型スレート屋根：断熱性も比較的高いです。
・折板屋根：断熱性は、波型スレート屋根に比べて劣ります。
断熱材を併用することで、断熱性を向上させることができます。
・瓦棒屋根：断熱性は、波型スレート屋根に比べて劣ります。
断熱材を併用することで、断熱性を向上させることができます。

まとめ

工場や倉庫の屋根は、建物の耐久性やコスト、メンテナンスなどに大きな影響を与える重要な要素です。
この記事では、工場や倉庫でよく使われる3種類の屋根材、波型スレート屋根、折板屋根、瓦棒屋根の特徴、メリット・デメリットを解説しました。
それぞれの屋根材には、耐久性、コスト、施工のしやすさ、遮音性、断熱性など、さまざまな特徴があります。
建物の用途や規模、予算、周辺環境などを考慮し、最適な屋根材を選ぶようにしましょう。